たまに
「コントラバスから変な音がするのでみてもらえますか?」
とレッスンにうかがった学校でいわれることがあります。
今回はその変な音が鳴っている場所について私の体験談を書きたいと思いますので、もし今その状態にあるというかたは参考にしてみてください。
変な音の正体・原因
ジーーー
というような、細かく振動しているものが何かに当たっているような異音です。
これは振動と共鳴になります。
どの楽器でも振動が音になるので振動は大事なのですが、どこかのパーツが割れたり緩んだりしていると、振動で異音が鳴ってしまいます。
また物体のもつ周波数(?)があうとより共鳴して普通よりも大きく振動してしまいます。
例えば、E線の一番低いGの音を弾いた時に開放弦のG線が大きく振動しますが、これが共鳴です。
探し方
ジーーーッと鳴りやすい音があると思うので、半音階をしっかりいい音で弾いてどの音でよく鳴るのかを見つけましょう。
そして次からは二人がかりで、一人はよく異音がなる音をひたすら弾き続けて、もうひとりはあやしいところを耳を近づけて探します。
検討をつけたら、触ったり押さえたりして鳴り止む場所を探します。
これでパッと見つかればいいのですが、なかなか特定できない時もありますので根気よく探し見てください。
学校の楽器の場合は、パッと修理に出すこともできないですし出してもすぐに見てもらえるとはかぎらないので(時期によっていは数週間預けることになることも)、自分で見つけて可能な範囲で処置できるのがいいと思います。
続いてよく見つかる場所について書いていきます。
楽器上部
ペグと周辺のネジ
ペグはチューニングをする時に回す金属の部分です。
ここが劣化して取れかかっていてグラグラしているのをたまに発見します。
応急処置的にテープでぐるぐる巻いたりボンドで止めたりでもいいですが、折れて指を怪我しても怖いので、ペグだけでも交換が可能ならしてもらうのがいいと思います。
また、ペグの周りにはペグが乗ってる金属の板を固定するためにネジがいくつかあると思いますが(ペグの歯車の中心にも)、これが緩んでいてカタカタ鳴っている場合もあります。
弾いてもらいながらネジを一個ずつ触れていくとすぐに分かります。
私は自分の楽器でペグの歯車の中心が緩んでることがありました。
ここは締めすぎると今度はチューニングの時に回すのが固くなるので注意です。
弦の余り
ヘッドの弦が巻いてあるところに、弦の端が余って飛び出てると思います。
これが他の部分に触れていて微かですがジージー異音が鳴るときがあります(経験談)。
余ってる部分は切ってしまっていいですし、ハサミがなければ余りの弦がどこにも触れないように曲げたり、他の弦と一緒にまとめてねじったりしてみてください。
弦のほつれ
弦の一番外側に巻いてあるスチール?がほどけていて、それが弦に触れて鳴っていることがあります。
なかなか弦を交換してもらえていない学校でたまにこういう弦に出会いますが、これはもう異音が鳴ってなくても弦を交換したほうがいいです。
弦が切れやすい状態ですし、ほどけたスチール?で指を怪我する可能性もあります。
楽器下部
ボディや接着箇所
本体にヒビや修理跡があると、そこの傷が開いて異音が鳴ってしまうことがあります。
また、表板と横板との接着箇所が少しはがれていてそこが原因になっていることもあります。
楽器を床に置くときは静かに置きましょう。
エンドピンのネジ
写真の赤丸のところです。
(黄緑矢印は次で)
エンドピンのネジはしっかり締めないと、振動で緩んできて異音の原因になりやすいです。
エンドピンを出さない人はあまり触らない部分かもしれないので、たまにチェックしてみてください。
私は、楽器をしまう時にエンドピンを引っ込めてネジを締めるのを忘れて、持ち上げた時にエンドピンがビヨーンッてなることがよくあります。
テールピースまわり
黄緑色の矢印の弦を引っ掛けてる黒い部分をテールピースといいますが、そこと、そこからエンドピンをつないでる太い針金(私はワイヤーですが)との接続あたりがあやしいことがありました。
私も確か楽器を買ったときは硬い針金でしたが、異音がするのでワイヤーのに変えたんやったと思います。
気候の変化
今まさに自分の楽器がそうなのですが、梅雨に入ってからめっちゃ異音がするようになりました。
A線の開放を弾いたときがひどく、しかも音がする場所が楽器の左胸あたりと枕あたり。
湿気によってちょっとおかしくなってしまったみたいです。
8月に配信ライブがあるのでそれまでにメンテに出せたらと思っています。
弦楽器はほぼ木でできているので、湿気や乾燥の影響を受けやすいです。
乾燥対策(ダンピット)や湿気対策(除湿機)に気を配るといいです。
古い楽器は特に!
あと、雨に濡れたり直射日光に当てるのも厳禁です!!
対処
異音がする原因はシンプルなものなので、クラブ中に学生同士で探し出すこともできると思います。
それで見つけることができたら、戻せる形で対策をしてみてください。
- ネジが緩んでたら締める。
- ペグが緩んでたらテープでぐるぐる巻いてみる(金属部分のみ)。
- マスキングテープや紙を噛ませてみたり貼ってみる。
など。
戻せない形というのは、
- ボンドでとめる。
- 粘着性の高いテープをボディや木の部分に貼る(剥がすときに木片がひっついてしまう)。
など。
修理に出した時に、ボンドなんかもうとれないし、テープにニスや木がひっついてきてしまったらもう戻せません。
絶対やらないように!
戻せる形で対処してみてください。
あとがき
異音がするのはよく楽器を鳴らせている証拠でもあるので『壊してしまった・・・』とは思わず、『よく響かせれるようになった』とポジティブにとらえましょう!笑
ただ、楽器をぶつけてから異音が鳴り出したならちゃんと申告しましょう。